盛大な手拍子に応えて再び大泉が登場。この日、全編に渡って素晴らしい演奏を奏でた、
田中義人(ギター)、山田章典(ベース)、nang-chang(マニピュレーター)、
田中栄二(ドラム)、松本圭司(キーボード)、NAOTO(バイオリン/バンドマスター)、
コーラスの小此木麻里、まりゑ、会原実希らバンドメンバーを紹介する。
武道館のために用意したというスペシャルなアンコールは、まさかのマイケル・ジャクソンの名曲
「マン・イン・ザ・ミラー」。マイケルのあの細やかなブレスやソウルフルな節回しや
シャウトまで完コピ(?)の熱演にオーディエンスが笑いと拍手で応える。
ちなみにこの曲のオケは、再現度を高めるため、バンドメンバーが使用楽器や音色まで
こだわり抜いたそうだ。アンコールの最後は「バカね…冬」から「バカね」を続けて披露。
『愛してるよー!!』コールに「俺も愛してるよー!!」と応えて最後は〈ららら〉の大合唱から
〈晴れのそーーーーらーーー〉とロングトーンの絶唱でオーディエンスを魅了。
「ありがとうございました!! ありがとうね、武道館!!」。
大泉が客席からの拍手と声援に応える。花道を歩きながら何度も投げキッスを繰り返し、
身体を抱きしめるジェスチャーでオーディエンスに感謝を伝えると全編の幕が閉じた。
全編3時間強。本編16曲とアンコール3曲、そして十二分過ぎるトークと映像。
2011年以来およそ13年ぶりとなったソロ公演は、50歳を迎えた稀代の人間力を持った
エンターテイナーのこれまでの歩み、北海道への郷土愛、仲間との友情、
さらにはマルチな魅力と近年の音楽的な成果までもが凝縮された、
まさに『集大成』と呼ぶに相応しいステージだった。
来る3月20日には初のベストアルバム『YO OIZUMI ALL TIME BEST』もリリースされる。
次は13年後と言わず、是非とも近いうちにまたステージに立ってほしい。
きっと数えきれないほどの笑いに包まれ拍手と声援を送った13,000名のオーディエンスも同じ思いのはずだ、
と勝手に断言してしまえるくらい『大満足』の一夜だった。
文:内田正樹
撮影:西槇太一
