本作は鬼太郎の父と水木の出会いが描かれていくが、演じる上で心がけたことについて、関は
「一見して柳に風というような鬼太郎の父だったんですが、物語進むにつれて、自分よりも大切なものを、自分の命に変えても守り抜くという熱い信念を持ったキャラクターだということが、ゆっくり優しく、皆さんに浸透してくれたらいいなと思っていました」
と述懐。
いっぽう水木役を演じた木内は、
「僕は昭和の高度成長期の力強い男性を演じてほしいと監督が仰られていて、細かいディレクレクションもいただきましたが、あとは自由に実写に近い形で自然にやらせていただきました」
と明かすと、沢城が
「かっこいいいんですよー!」
とお客さんの期待を膨らませ、
「木内さんが一言一言喋ると、昭和にタイムスリップしていくよう」
だと大絶賛。
さらに関からは、木内が収録時に「短パン姿」だったと明かされると、木内も
「真夏だったので(笑)」
とコメントし、息のあった姿を見せていた。
55年も愛され続けている『ゲゲゲの鬼太郎』を生み出した、水木しげる氏の魅力について、今作で、おなじみの『あのキャラクター』に似た、ある謎の少年を演じる古川登志夫は、
「水木先生の作品には妖怪とかいろいろ出てきますが、実は人間ドラマが描かれているんじゃないかと思います。
人間の憎悪や愛、業、そういった人間ドラマを描きつつ、しかし最終的にはその人間としてあるべき姿、あるいは善悪の判断基準というものがあぶり出されていく、そんなところが魅力だと思います」
と長年、水木作品に触れてきたからこその納得の理由を語ってくれた。
続いて、水木しげる生誕100周年記念作品として、鬼太郎の父たちの物語を描いた経緯を問われた古賀監督は、
「まず6期のシリーズの中で、水木の話は少し触れるだけで描いていない。それはいつかちゃんと描きましょうと、今回のこの映画に繋がった。鬼太郎誕生以前というのは、水木先生はお書きになってらっしゃらないので、我々が作っていいのかというところも含めて、水木先生の著作物や水木先生の生きてきた昭和という時代をすごくみんなで勉強しまして、水木先生がおそらく描きたかったであろうというものというところを前提に、昭和と令和ではやはり違うところもあるので『水木先生がもしこの令和の世にいたならば描きたかったことって、こういうことなんじゃないかな』ということを探りながら作る作業をさせていただきました」
と、制作秘話を教えてくれた。



