2023.10.28 公開
満席の劇場へ向けて感謝の想いを語った。
Q&Aセッションで手を挙げた観客の中には、原作である舞台を鑑賞した人の姿も。
「映像の方が表現できる幅が広がっていて印象的でした。」と話し、映画ならではの『市子』の魅力を楽しんだようだ。
まず、本作を映画化するに至ったきっかけを訊かれた監督は、「2015年に初演をやって、脚本賞をいただいて再演をした際に映像化のお話があったのですが、舞台を映像に変えるというアイディアが自分の中で無かったのでお断りしてしまったんです。その後、2018年に続編と共に再演するという話になった時に、これなら映画化できるのではという考えが浮かんできて、そのタイミングでまた映画化のお話をいただき、(映画の脚本を)書き始めました。」と明かした。
そもそもオリジナルとなる本作を書き始めたことについては「SNSが流行り始めた時代に、一緒に作品を作ったスタッフさんや、大学の後輩が、若くして亡くなってしまうということがあって、だけどFacebook上では存在がある、誕生日とかの通知が届くんですね。そしてそのページに行くと、誕生日おめでとうと言う言葉が並んでいる。もういないのに、知らない方からすると生きていて、存在しなくなった人が存在しているということに奇妙な感じがし、そこから存在しているのに存在しないものとして、日本の中で市子の境遇のような人たちがいることも知っていたので、そこにつながりこの話を書こうと思いました。」とコメント。
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