女優の松井玲奈が主演する映画『緑のざわめき』が9月1日より公開される。
【写真】主演作の見どころをインタビューで語る松井玲奈(1枚)
本作は「第18回大阪アジアン映画祭」インディ・フォーラム部門に正式出品された、福岡、佐賀を舞台に、3人の異母姉妹が織りなす物語を描いた『緑のざわめき』。本作は、新鋭・夏都愛未監督(『浜辺のゲーム』)が、大江健三郎や中上健次の文學にインスパイアされ、葉脈と血の繋がり、ファミリーツリー、性と聖の繋がりをテーマに描くオリジナル作品。3人の異母姉妹に、元カレ、女子会メンバーらが交わり、物語は思いもよらない方向へと進んでいく。
松井は女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる主人公・小山田響子役を務め、響子の異母妹であり、彼女をストーカーする菜穂子役を、『mellow』でヒロインを演じた岡崎紗絵、同じく響子の異母妹で佐賀の集落に暮らす少女・杏奈役を、オムニバス映画『21世紀の女の子』でも夏都とタッグを組んだ倉島颯良が演じる。
今回、松井のオフィシャルインタビューが公開されたので、以下に紹介する。
【松井玲奈・インタビュー】
Q.脚本を読んだ時の感想はいかがでしたか?
ちょっと人間模様が複雑なお話だなと思ったんですけれど、夏都監督に、「人と人との関わりの物語であって、ファミリーツリーだったり葉っぱの葉脈のイメージがこの作品にはあって、関わり方・ありようが木々の葉みたいに色んなところにあるけれども繋がっている、それが3姉妹の繋がりにも影響してくる」というお話を聞いた時に、自分の中でも腑に落ちるところがありました。
実は最初に頂いた脚本が、4時間分ぐらいの、『ロード・オブ・ザ・リング』みたいな、読めども読めども終わらない超大作だったんです。けれど、ある意味削ぎ落としていない監督が一番やりたいことを先に提示して頂いたお蔭で、映画では描かれていないそれぞれのキャラクターのバックボーンを事前に知ることができました。役の情報が全て織り込まれていたのですが、その中でも監督が特に描きたくて表現したい部分が今の脚本になって作品になりました。最初の稿は、ほぼ資料でした。(笑)
Q.響子役を演じるにあたり、何を大事に演じましたか?
響子は、お父さんがいなくなっていて片親で、病気を患っていて、女優を辞めたのですが、私には家族がいるし、病気にもかかっていないし、女優の仕事も続けられているし、と並べた時に真逆だったので、それをわかったつもりになったらダメだなと思いました。彼女に寄り添うつもりで、友達の話をしっかり聞くみたいな気持ちで頂いた資料や脚本を読み込む中で、どういう表現ができるかということを第一に考えていました。それでもやっぱり全ては理解ができないからこそ岡崎さんと倉島さんと一緒にお芝居をして、彼女たちが役として乗っかってきた時に、響子として出てきた気持ちを大切にして、その時に初めて「彼女はこういう気持ちだったんだ」と気付ける瞬間を大切にしながら演じていました。
