2021.10.05 公開
嵐莉菜、初めての映画出演で初主演 国籍に悩みを持つ少女を演じる

映画『マイスモールランド』で映画初出演&初主演する嵐莉菜(※提供写真)  画像 1/3

是枝裕和が率い、西川美和が所属する映像制作者集団「分福」の気鋭の若手監督・川和田恵真が、商業映画監督デビューする、映画『マイスモールランド』の主演を初映画出演となる嵐莉菜が務めることが分かった。


本作は、クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する…。
埼玉には、約2000人のクルド人が住む地域があり、そこに暮らす女子高生が主人公。彼女が、日本人の少年との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していく物語が描かれる。


監督は、29歳の川和田恵真。早稲田大学在学中に制作した映画『circle』が、東京学生映画祭で準グランプリを受賞。2014年に「分福」に所属し、是枝監督の 『三度目の殺人』(17)で監督助手、西川監督の『すばらしき世界』(21)でメイキングを担当するなど、多くの現場で研鑽を積み、満を持しての商業長編映画デビューとなる。
本作は川和田監督のオリジナル脚本で、企画の発端は2015年、「自分と年齢が変わらないクルド人の女性兵士が大きな銃を構える1枚の写真を見てから興味を持ち調べはじめ、日本にも2000人ものクルド人が住んでいること、難民申請をしながらも厳しい状況におかれていている方々がいると知ったことが出発点になっています。」と話す。日本人の母親と、イギリス人の父親を持つ川和田監督は、アイディンティティに悩んだ時期があり、自身の問題とクルド人の状況とが結びつき、企画が動き出した2017-18年、埼玉に住むクルド人への取材をはじめることになった。


そして、本作の主人公サーリャを演じるのは嵐莉菜。初めて本格的に演技に挑戦する作品で初主演を務める。嵐は、2019年11月に発掘オーディション「ミスiD 2020」で、グランプリとViVi賞をW受賞。2020年よりViViの専属モデルとして活躍する17歳。先日、NTV「しゃべくり007」の「今年ブレイク間違いなしの美女SP」コーナーに出演、さまざまな無茶ぶりに対応し「かわいいし面白い」「気取ってなくていい」などの称賛とともに話題になったばかり。母親が日本とドイツのダブルで、父親が日本国籍を取得しているイラン、イラク、ロシアのミックスという5カ国のマルチルーツを持つ嵐は、日本で生まれ育ち、幼少期にはキッズモデルも務めていたことも。

嵐莉菜、初めての映画出演で初主演 国籍に悩みを持つ少女を演じる川和田恵真監督(※提供写真)  画像 2/3
今回はオーディションを経て、参加となった嵐は、「オーディションのお話をいただいたとき、この役は絶対に私が演じたい!と思いました。」と話す。監督は「華やかなイメージを持っていましたが、オーディションの際、彼女がアイデンティティに葛藤をもっていたことや、『自分のことを日本人と言いたいけれど、言っていいのかわからない』と思っていたことを話してくれました。彼女になら、複雑なバックグラウンドをもっている、本作の主人公を任せることができるなと思いました。」と起用の理由を振り返り、また「莉菜さん、本人のキャラクターと、演じた時のギャップに驚きました。堂々としていて、とても自然で素晴らしい演技をみせてくれました。サーリャのもつ複雑な気持ちを表現してくれ、オーディションの時から、この役を生きてくれていると感じました。」と太鼓判をおす。

嵐莉菜、初めての映画出演で初主演 国籍に悩みを持つ少女を演じる嵐莉菜(※提供写真)  画像 3/3


嵐は「私の演じたサーリャは、国籍に悩みを持っている役柄。自分も、小学校の時は、たいしたことじゃなくてもネガティブに捉えてしまって、アイデンティティについて悩むこともありました。」とコメントし、「この役を演じさせていただくことになって、クルド人の高校生の女の子と実際に会いお話をする機会をいただき、同級生と同じようにLINEを交換したり、K-POPアイドルの話でもりあがったり(笑)、不自由な想いをしているはずなのに、とても前向きで明るく生きている姿に勇気をもらいました。この物語は、実はとても身近な問題なので、私が演じることで、そのことを知ってもらえたら嬉しいです。」とコメント。監督は「自分の役として感じたことを言葉にして伝えてくれた莉菜さんから受け取ったことも多く、初めて同士なので、お互いに成長し合うことができました。そして、企画段階から、是枝さん、西川さん、広瀬(奈々子)さんにも応援していただき、私が描く必然性がある物語で、今の世界にとっても必然性があるテーマだからと、ずっと背中を押し続けてもらいました。そして、苦しい境遇にいながらも、希望を捨てず強く前向きに生きようとする姿をみせてくれたクルドの方々から受け取った力を映画で表現できているといいなと思います。」とコメントした。


本作は企画段階で、2018年の釜山国際映画祭内にあり、映画の新企画やクリエイターを支援するイベント「ASIAN PROJECT MARKET (APM)」で、アルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。難民2世という題材をベースに、世界に開かれた新しい視点で、現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが “自分ごと”として受け入れられる普遍的な青春ドラマとして描く。撮影は今年5月18日クランクインし、 6月8日クランクアップ。日仏共同制作となる本作は、2022年の公開を目指し、共同制作となるフランスで最終の仕上げ作業を行う。


嵐莉菜・コメント】
オーディションのお話をいただいたとき、この役は絶対に私が演じたい!と思いました。
主演に決まったと聞いた時はとても嬉しかったです。それと同時に初めての本格的な演技に不安も感じました。私の演じたサーリャは、国籍に悩みを持っている役柄。自分も、小学校の時は、たいしたことじゃなくてもネガティブに捉えてしまって、アイデンティティについて悩むこともありました。この役を演じさせていただくことになって、クルド人の高校生の女の子と実際に会いお話をする機会をいただき、同級生と同じようにLINEを交換したり、K-POPアイドルの話でもりあがったり(笑)不自由な想いをしているはずなのに、とても前向きで明るく生きている姿に勇気をもらいました。この物語は、実はとても身近な問題なので、私が演じることで、そのことを知ってもらえたら嬉しいです。

【監督 川和田恵真・コメント】
(企画について) 自分と年齢が変わらないクルド人の女性兵士が大きな銃を構える1枚の写真を見てから興味を持ち調べはじめ、日本にも2000人ものクルド人が住んでいること、難民申請をしながらも厳しい状況におかれている方々がいると知ったことが出発点になっています。自分自身もアイディンティティに悩んだ時期があり、「自分は何人なのだろう」という思いと、国を持たない世界最大の民族であるクルドの方々のことが結びつきました。企画段階から、是枝さん、西川さん、広瀬(奈々子)さんに応援していただき、私が描く必然性がある物語で、今の世界にとっても必然性があるテーマだからと、ずっと背中を押し続けてもらいました。苦しい境遇にいながらも、希望を捨てず強く前向きに生きようとする姿をみせてくれたクルドの方々から受け取った力をこの映画で表現できているといいなと思います。

(嵐さんについて) とても華やかなイメージを持っていましたが、オーディションの際、彼女がアイデンティティに葛藤をもっていたことや、「自分のことを日本人と言いたいけど、言っていいのかわからない」と思っていたことを話してくれました。彼女になら、複雑なバックグラウンドをもっている、本作の主人公を任せることができるなと思いました。また、莉菜さん、本人のキャラクターと、演じた時のギャップに驚きました。堂々としていて、とても自然で素晴らしい演技をみせてくれました。サーリャのもつ複雑な気持ちを表現してくれ、オーディションの時から、この役を生きてくれていると感じました。自分の役として感じたことを言葉にして伝えてくれた莉菜さんから受け取ったことも多く、初めて同士なので、お互いに成長し合うことができました。

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