2021.09.29 公開
志田彩良「当たり前の大切さを伝えたい」主演映画『かそけきサンカヨウ』完成報告会でメッセージ

志田彩良(※提供写真)  画像 1/3

今泉力哉監督最新作で志田彩良主演映画『かそけきサンカヨウ』が10/15(金)テアトル新宿ほか全国で順次公開される。

本作は、人気作家・窪美澄の同名短編小説を映画化。家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった高校生・陽の葛藤と成長が、同級生・陸との「恋まではたどり着かないような淡い恋愛感情」を交えて描かれている。

主人公・国木田陽に「ドラゴン桜」(TBS)が話題となった志田彩良、陽をやさしく見守る父親・直を井浦新、陽の同級生・陸に「ドラゴン桜」でも志田と共演した鈴鹿央士、直の再婚相手・美子を菊池亜希子、陽と陸の同級生の沙樹を中井友望が演じる。監督は作品に流れる空気感やリアリティが高い評価を受け、今年は『あの頃。』『街の上で』と既に2本の作品が公開され、城定秀夫監督とのコラボ映画が来春公開を控える今泉力哉監督。

志田彩良「当たり前の大切さを伝えたい」主演映画『かそけきサンカヨウ』完成報告会でメッセージ映画『かそけきサンカヨウ』完成報告会(※提供写真)  画像 2/3
本作を映画化したいと希望していたという今泉監督は「小説を読んでいて、そこにある家族の関係性だったりとか、普通ならあまり描かれないような部分での、小さな衝突や、小さな気持ちに焦点を当てた作品で。家族のありかたとか、恋愛と呼べるのかというぐらいの距離感の、高校生の時間などもすごく繊細に描かれていて。そして特に惹かれたのは、父親と娘の時間と、そこに父親が再婚することによって新しい家族になっていく奥さんと子どもと、主人公の陽との距離感とか。そういう部分に惹かれて、この作品を映画にしたいと思いました」とコメント。志田のキャスティングについても「何度かご一緒していたので、プロデューサーとも、志田さんならできるんじゃないかという話をしていました」と全幅の信頼を寄せている様子だった。


志田も「脚本をいただく前に小説を読ませていただいたんですが、その時に陽の強い部分も、弱い部分も含めて、すべてが本当に愛おしい女の子だなと感じて。もしわたしだったら、その場から逃げたくなるようなことも、逃げずにちゃんと向き合って。前に進む姿が魅力的だなと思いました」と感じたといい、「今泉監督と初めてご一緒したのが『パンとバスと2度目のハツコイ』だったんですが、そのときに、監督から『いつか志田さん主演で映画を撮りたいと思っているので、その時はよろしくお願いします』と言っていただいて。そこからわたしも、いつか今泉組で主演することが目標となっていたので、まさかこんなに早くそれが実現するとは。わたしは今泉さんの現場が大好きなのでうれしかったですし、事務所(テンカラット)の25周年記念という大切な作品で、今泉組の主演という大役をいただけて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」としみじみ付け加えた。

さらに主人公・陽の父親・直を演じた井浦は「監督が、現場で生まれてくる俳優のお芝居をすべて受け止めてくださったので。先ほど、監督がおっしゃられた通り、小さなできごとを繰り返していく物語なので、俳優のお芝居にも繊細さが求められていたと思います。その繊細さを共演者と確かめ合いながら、やっていけた現場でもありましたし、父親の作り方もそういう風にやらせてもらってありがとうございます」とコメント。

志田彩良「当たり前の大切さを伝えたい」主演映画『かそけきサンカヨウ』完成報告会でメッセージ鈴鹿央士(※提供写真)  画像 3/3

そして陽が淡い恋心を抱く同級生の陸を演じる鈴鹿は「陸くんは自分の家族だったり、陽のことだったり、自分の身体もそうですが、いろいろなところに進む中でいろいろな壁がどんどんできていたんですけど、その壁に当たった時にも、人に当たらないというか。ものすごくやさしい人だったので。誰かに背中に押されて、自分で解決しに行く、その姿がすごく優しいし、ステキな男の子だなと思いながらやっていましたね」とコメント。

さらに陽の新しい母親・美子を演じる菊池は「(鈴木咲さん演じる娘の)ひなたちゃんが、いい意味で本当に子役っぽくないというか。どう動くか分からない場面がたくさんあって。予測できないというか。子どもらしさがさく裂している子だったので。お芝居をしている最中でもどこかへ行ってしまうこともあったんですけど、それがひなたっぽくて。それでオッケーになったんですけど、すでにひなたができあがっているなと思いました」と笑顔で振り返った。
そして陽と陸と三角関係となる同級生・沙樹を演じる中井は「陽と陸ほどは描かれていないんですけど、沙樹も家庭環境に何かしらのコンプレックスがあって。二人の男女の間に入る女の子がいたとしたら、すごくドロドロしたりすることも多いと思いますけど、そうならないのは、陸と陽の関係性を見ていると、納得できましたし、わたし自身、沙樹を演じて、強さだったり、優しさだったりを知りました」と振り返った。

イベント終盤で最後のコメントを求められた志田は「わたしは、けっこうSNSが主流になっている環境で育ってきたので、陽みたいに、自分の気持ちを相手に、顔と顔を合わせて、言葉で伝えるという経験がなかなかなくて。最近はこういう状況下ということもあって、そういうことがさらに制限されてしまっていますが。時代の流れとともに、いろんなものがどんどん便利になって、なくなってしまうものもありますけど、でも人のぬくもりだったりとか、優しさだけはほかの何ものにも変えられないなと実感することが最近多くて。『かそけきサンカヨウ』を通じて、自分よがりではない、相手を思う気持ちの大切さとか、そういう当たり前の大切さを伝えられたらなと思っています」とメッセージを送った。


映画『かそけきサンカヨウ』は10月15日(木)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

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