2021.05.05 公開
<監督・今泉⼒哉>
窪さんの小説はいつも、どこか弱い⼈、何かが欠けている⼈、⼈生がうまくいかない⼈について描いている気がします。私もずっとそういう⼈を描いていきたいと思っていて、今まで映画をつくってきました。強さではなく弱さについての物語。小説「かそけきサンカヨウ」を読んだ時に感じたのは、その弱さが単純なものではなく、曖昧で、強さとも表裏一体であること。嫌いになってもおかしくない相⼿に確実にもっている愛情。恋愛と呼べるかわからないようなモラトリアムの時間。気丈に振舞っているけど実は張り詰めている感情の機微。⾔葉にするなら、ある家族の再生の物語、とかなのかもしれませんが、⾔葉では説明できない細微な感情をめいっぱい詰めこんで映画にしました。
何度もご一緒して絶対的な信頼を置いている志田さん、いち映画ファンとして憧れでもあった井浦新さん、また、スタッフに⽀えられて生まれたこの映画を⾒た誰かの体温を少しだけあげることができたら。
秋の日の陽気の中で。
<プロデューサー・宇⽥川寧>
『かそけきサンカヨウ』を映画にしたいと監督からお話をいただいたのはちょうど、『パンとバスと2度目のハツコイ』の撮影前でした。その作品で初めて志田さんとご一緒しましたが、あのほっこりした笑顔と共にある、その凛とした佇まいと内面にある意志の強さを感じ、瞬間的に『かそけき〜』の陽がいましたねと、監督と話したのを覚えています。上品でチャーミング、彼⼥の魅⼒のおかげで、より一層作品に余韻を与えてくれました。
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