新人俳優賞は『リバーズ・エッジ』の吉沢亮、『響 -HIBIKI-』の平手友梨奈らが受賞。
受賞を受けて吉沢は「素敵な賞をありがとうございます。今回の『リバーズ・エッジ』という作品でベルリン国際映画祭に行かせていてただいたり、日本の映画祭に行かせていただいたり、映画を愛する方の前でお話させていただいて熱を感じる瞬間が多かったなと思います。改めて映画はエネルギーを感じるものだなと感じました」と感が深く述べた。
『響 -HIBIKI-』の平手友梨奈は「お芝居に対して自分に嘘をついているんじゃないかと疑問を持ったりしたんですけど、そんなことはなくて、自然体でやれたのが嬉しかったです。チームの皆さんとこれまで私に関わってくださった皆さんに感謝をしたいと思います」と語った。
主演男優賞は『散り椿』の岡田准一、『万引き家族』のリリー・フランキーなどが受賞。司会の西田は岡田に「あなたは今日本で一番立ち回りの上手い俳優さんだ」と声を掛ける。岡田は恐縮しつつも、撮影を務めた木村大作について「今回大作さんが時代劇を撮るということで。殺陣も1シーン1回なんですよ。リハーサルをやっている時から”この位置から動かない”っていう、大作さんの”ここからしか撮らないぞ”というプレッシャーの中で西島さんとどう作っていくか。大作さんの愛を感じながら、家族のように。大作さんのチームはお祭りだからという感じでやっていきました」と現場を振り返った。
そして、最優秀主演男優賞に選ばれたのは『孤狼の血』の役所広司。
受賞を受けて役所広司は「本当に意外でした。2年連続で主演男優秀賞をいただいていたんですけど、本当の最優秀っていうのはすごく難しいことなんだなとつくづく感じていました。素晴らしい賞をいただいてびっくりしています。『孤狼の血』は広島の呉で撮影しまして。西日本の災害で復興までには時間がかかると思いますが、今回『孤狼の血』がたくさんの賞をとったので、呉の人たちも元気を出してくれるかなと思います」と語った。
最優秀主演女優賞に選ばれたのは『万引き家族』の安藤サクラ。
受賞を受けて安藤サクラは「正直これからどうやって子育てをしながら作品に関わる時間を作ればいいのかがずっとわからなくて。この『万引き家族』で感じたのは、子育ては24時間、映画の現場も24時間。子育ても映画も全力を尽くしていかなかなればならないということ。自分が幼い頃から父の環境もあり、映画の現場を見させていただいて、映画の現場というのは本当に新しい活力をあたえてくれる場所だと思っています。それがない時間を過ごしていないので、この2つをどう両立したらいいかが今正直全くわかりません。でも今日この場に来て素晴らしい先輩方の姿を見て、その方達と出会えた時間、作品で関わらせていただいた先輩方と過ごした時間を感じて、やっぱりどうしたって映画の世界の方に憧れを抱いてしまうんだなということを自覚しました。この賞をいただけたことできっちりと自分の中で決着をつけて、映画の世界に戻ってきたいと思いました」と涙ながらに語った。
笑いあり、涙あり、作品の枠を超えて、さまざまな感動が会場を包んだ「第42回日本アカデミー賞授賞式」となった。