3月1日(金)、「第42回日本アカデミー賞授賞式」が東京・グランドプリンスホテル新高輪 国際館パーミルにて行われた。
各部門の優秀賞に選ばれレッドカーペッドを歩く受賞者一同。司会を務めるのは、9回目の司会となる西田敏行と、今回が初司会となる蒼井優。2名は平成最後となる日本アカデミー賞授賞式を「感慨深い」と語った。
助演男優賞は『空飛ぶタイヤ』のディーン・フジオカ、『検察側の罪人』の二宮和也らが受賞。助演男優賞の受賞を受けて、『空飛ぶタイヤ』のディーンは「私が演じた役は、主演の長瀬さんとのバディ物にも見えるかもしれないし、ライバルにも見えるかもしれないし、複雑な関係。“こうありたいという姿”と“人間ってこうなっちゃうよな”っていう狭間で揺れ動いたり、すごく人間っぽいなと思いながら演じさせていただきました。長瀬さんとは今回の作品が初めましてだったんですけど、すごく楽しかったです。また長瀬さんと一緒にできる機会があると良いなと思っています」とコメント。
『検察側の罪人』の二宮について、司会の西田は「あなたは本当に素晴らしい役者さんですね」と第一声。特に大きな話題となった、取り調べシーンについて大絶賛された二宮は恐縮しつつも「原田監督がすごく怖いんですよ。すぐ怒るんです。だから僕が映画でやらせていただいた姿はもう監督そのものです。気負うことなくやらせていただきました」と現場でのエピソードを語った。
さらに、初共演となった木村拓哉について問われると、「本当に現場に気を遣ってくださる方です。僕の演じた役柄の中で取り調べがすごく重要なシーンだったんですけど、その撮影の前日に”いつも通りやれば大丈夫”とメールを送ってくださったり。全役者のスケジュールを把握してやってくださるのが素晴らしいなと思いました」と先輩との共演について語った。
そして、最優秀助演男優賞に選ばれたのは『孤狼の血』の松坂桃李。
受賞を受けて松坂は「すごく嬉しいです。20代の半ばくらいに違う色の作品に挑戦していきたいと思っていく中で、白石監督の『凶悪』を見て、ぜひ白石監督の作品に出たいと言っていました。その中でご一緒させていただく機会があり、一作目では蒼井優さんとも共演させていただいて。短いスパンの中でまた『孤狼の血』に呼んでいただいて、僕にとっては本当に財産のような作品になりました。この受賞をキャストのみなさんやスタッフさんと一緒に分かち合いたいと思います。本当にありがとうございました」と感激で言葉に詰まりつつ、スピーチを行った。
最優秀助演女優賞に選ばれたのは『万引き家族』の樹木希林。
代役で登壇した娘の内田也哉子は「生前母がよく口にしていた”時が来たら誇りを持ってわきにどけ”というのが文字通り今日をもってできると思います。最初の乳がんが見つかってから彼女は13年という日々を、愛おしくまるで病気に感謝しているようにも見えました。癌が見つかって最初にしたことは、父に会いに行き、それまでのすべてのことを謝りに行くということでした。残された僅かな時間で、周りの方々に謝ってから逝きたいと。自分勝手な母ですが、とても母らしいと思いました。映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動が時に人を傷つけたと思います。なのでこの場をお借りして彼女に代わってお詫びを申し上げます。またそれらの一つひとつの出会いに感謝を申し上げます」とスピーチ。会場からは天国の樹木希林にも届くかのような盛大な拍手が巻き起こった。©日本アカデミー賞協会 画像 2/2