どの世界、どのジャンルでも「食わず嫌い」というものがある。
プロレスの場合、世間一般から食わず嫌いというか、拒絶反応を示されることも多いのだが、プロレスファンの中でも「いや、女子プロレスだけは……」と食わず嫌いを発動させる方が結構、多いし、もっといえば女子プロレス大好き勢の中でも「あの団体はちょっと……』とさらなる食わず嫌いを表明する層が一定数、いるのである。
筆者は基本的に「プロレスはどれも好き」派なので、どうして、こんなに狭いジャンルの中で食わず嫌いをアピールするのか、不思議でならない。
【写真】真剣そのもの・・激しい試合を繰り広げる東京女子プロレス(8枚)
アイドルの世界でも、当然、食わず嫌いがあるけれども、ここまで極端ではないような気がする。大事なライブの前には、熱心なファンの方が「次のライブ、ぜひ観に来てください!』と積極的にアピールしてきて、実際、それがきっかけで足を運んだライブで、いままで興味がなかったグループにググッと引きこまれたことが何度もある。なんならアイドルフェスで偶然、目撃したわずか10分のステージでコロッとハートを射抜かれたことだってある。なんだかんだ言って「観てもらえればわかる」というのはエンターテインメントの世界では共通認識なのだ。
ここがとても大事な話で、フェスや対バンが頻繁に開催されているアイドルの世界では、まだステージを生で体感する機会がちょいちょいあるのだが、プロレスの場合、そういったチャンスがほとんどない。「観てもらえればわかる」けれども、まず観てもらうことのハードルがめちゃくちゃ高いのである。
そのハードルの高さにいちばん泣かされている女子プロレス団体、それが東京女子プロレスなんじゃないか、とずっと思っている。
タレントからの転身組が多かったり、現役のアイドルが二刀流で闘っていたり、という部分が「そんなのプロレスじゃない」という偏見につながり、結果、食わず嫌いを生んでしまう。いまでは、どの団体だって、そういうキャリアの選手がたくさんいるのに、なぜか東京女子プロレスだけが数年前のイメージのまま止まってしまっているケースが多い。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ない話ではある。食わず嫌いの人は試合を観ようともしないから、情報や認識がアップデートされる機会すらないのだから。
そう、東京女子プロレスはここ数年で激しくアップデートされているのだ! 食わず嫌いのままスルーしているのは、本当にもったいないな、とものすごく感じている。
いまから10数年前、まだまだ小さな団体だった東京女子プロレスを世間に届けることができないか? と考えて、一般誌やアイドル雑誌の編集者を連れて、王子駅前にあるライブハウスでおこなわれていた大会に通っていた時期があった。まさに「観てもらえればわかる」効果で、どの編集者も「これが面白いね」と楽しんでくれた。しかし、編集会議にかけると「知名度が低い」とか「いまひとつ中途半端」といった理由で掲載を却下された。せめて後楽園ホールで定期的に試合ができるスケール感がほしい、トップアイドル顔負けの存在がひとりでもいれば……そうやって却下されてから10数年、いまでは後楽園ホールで毎月のように大会を開催するようになり、トップアイドル顔負けどころか、SKE48の選抜メンバーだった荒井優希がメインイベントで闘っている。そして、3月29日には両国国技館という大舞台でのビッグマッチも決定している。








