2016.05.02 公開
Bentham(ベンサム)は対バンツアーを積極的にこなし、確実に固定ファンを増やしている注目の4ピースバンド。スタイリッシュな邦楽ロックが注目されている今。最も熱いバンドのひとつであることは間違いない。今回はそんな彼らの4/30に行われた初ワンマンライブの様子をレポート ...


一瞬静まりかえる会場。「高校の時にコピーバンド的なことをっやって、あのバンドこのバンドかっこいいなぁって思いながら、音楽に何度も助けられてきました。だから"届く人にはちゃんと届けたい"と思って続けています。今の姿を高校の時のオレに見せてあげたい。絶対に夜は明ける、大丈夫だって」そんな小関のMCに続いて披露されたのはCD未収録の『夜明けのうた』。ハイトーンボイスが胸に刺さる切ない曲だが、これらのミドルナンバーもBenthamが奏でると巧みに音が重なりあい、切なさの中に疾走感が見え隠れし、思わず踊りだしたくなる旋律になるから不思議だ。

【ライブレポート】Benthamが初のワンマン公演を開催! 疾走感あふれるサウンドで観客を魅了  画像 4/6

ここで鈴木(Dr)のMCが入り、先ほどまでのシックな雰囲気を一気にひっくり返す。唐突に始まったパクチー食べ放題に行った話から、旅先のホテルでの個人的なお楽しみまで馬鹿馬鹿しいトークでオーディエンスを笑わせた。

いよいよライブもクライマックスへ。「騒がないと損だから!イケますかー?」小関のシャウトで『アイマイミーマイン』が始まると、再びオーディエンスも一斉にヒートアップ。『手の鳴る方へ』では、ワンマンならではの大歓声でのコール&レスポンスで盛り上がり、小関はモッシュエリアにダイブまでしてみせた。ここまで来ると勢いは止まらない。続く『Undulate』では、レーザービームが照らされる中、ステージとオーディエンスの距離感が一気に縮まり、会場全体が心地よいグルーブ感に包まれているのを誰もが感じたはずだ。これもまたワンマンでなければ出し得ない空気感。演じる側も聴く側もこの日をどれだけ待ち望んでいたか、そしてそれが実現した喜びが会場を包み込んでいた。

【ライブレポート】Benthamが初のワンマン公演を開催! 疾走感あふれるサウンドで観客を魅了  画像 5/6

そしてラストチューン『パブリック』のイントロが始まると「ついに来た」と言わんばかりのざわめきが起こる。「この曲で始まったと言っても過言ではありません。みんな踊ってくれますかー!」小関の「踊れー!」を合図に飛び上がるオーディエンス。気付くと会場が一体となって「どうやって君の事振り向かせたらいいの」のサビを口ずさんでいる。こうしたキャッチーでありながら刺さるフレーズもBenthamワールドの魅力。わかりやすい言葉と心地よいサウンドが見事に融合し、彼らの世界を創り出していた。


彼らがステージ裾に戻ったと思いきや、間髪入れずにアンコールの嵐が巻き起こる。まさに初ワンマンの喜びを抑えきれないファンの声。Tシャツに着替えたメンバーが再登場すると、7月に4枚目となるEPをリリースし、それにともない全国でワンマンツアーを行うといううれしい発表が。さらにその中に収録される新曲『サテライト』を初披露。激しいビートで優しさや情熱をまき散らすかのような突き刺さるサウンドで会場を盛り上げた。「ワンマンやりてえなぁ、って思ってたけど、いざやってみるとあっという間でした。まだまだ至らないところもあるけど、届くかな?って思ってライブやってます。そしてこんな僕でも言える言葉。大丈夫、なんとかなるから!」小関の気持ちのこもったMCからの熱い想いの込められた『アナログマン』がアンコール最後の曲となった。

厚みのある演奏力と、伝わる言葉で紡がれた歌詞の世界。そして4人それぞれが曲を作り、個性的なMCで会場を盛り上げる。初ワンマンライブを成功させ、7月には4枚目のEPリリースを控えた彼らからますます目が離せなくなりそうだ。

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