2020.12.24 公開
【ライブレポート】BALLISTIK BOYZ、2020年の集大成を飾った「#バリクリ」開催

BALLISTIK BOYZ(※提供写真)  画像 1/6

 LDHが仕掛ける新たなエンタテインメントとなる『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』2日目の12月23日には、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE(以下、BALLISTIK BOYZ)が登場。全員が歌&ダンス&アクロバットをこなせるほか、留学経験のあるメンバーや海外にルーツを持つメンバーを擁し、語学にも堪能でマルチスキルな7人だ。単独では2回目の参加となる『LIVE×ONLINE』で、どのようなステージを見せてくれるのだろうか。

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 前回は1stホールツアー『BBZ』のセットリストを『LIVE×ONLINE』向けにアレンジした形だったが、「BALLI - X'mas」をテーマにしたこの日のステージは、1人の少女(平川結月)の夢の中に入っていくとBALLISTIK BOYZのメンバーたちがいて……というストーリー仕立ての演出となる。

 

 ライブは真冬をホットに盛り上げる「SUMMER HYPE」からスタート。「テンハネ -1000%-」(1stアルバム『BALLISTIK BOYZ』収録)ではスクリーンに同曲MVが投影されていたが、デビューからわずか1年半の間に頼もしく華のある存在へと成長した現在の7人との対比も感慨深かった。3曲目が「BLAST OFF」で彼らの得意とするストリート色の強いナンバーが続くが、「(メンバーの)普段の雰囲気とのギャップに毎回やられる」というファンのコメントにも大いに頷ける。スクリーンに鬱蒼としたジャングルが映し出された「Bang Out」では〈好きな事だけを選び進むだけ/自分信じて〉という歌詞になぞらえるかのように、7人がサーフボードで激流に飛び込んでいくような演出のユニークさも目を引いた。

 

 主人公の少女がさらに夢の中へと進むと、革ジャンを羽織った砂田将宏がギター、深堀未来がドラムというバンドスタイルで出迎える。奥田力也もラップで参加し、グループのレパートリーにはないハードなサウンドを聴かせていく。世界基準の人材を育成する『PROJECT TARO』でかつてNY留学を経験したこの3人のコンビネーションには「タロメン最高!」とファンも歓喜していた。

 

 「Front Burner」からは、曲によりニューカマーのPSYCHIC FEVERも参戦。計15人で厚みのあるダンスパフォーマンスを見せていく。グループ史上最速のダンスを披露する「44RAIDERS」に続き、暗視カメラが7人のパフォーマンスをミステリアスに捉えた7曲目「Most Wanted」は、まさにオンラインライブならではといえる演出で興味深かった。

 

 そしてこの日のコメント欄をひときわザワつかせたのは、海沼流星、奥田、松井利樹のラッパーチームが披露した「HIGHWAY」(2021年2月3日リリース予定のシングル『Animal』収録)からのブロックだ。同曲では英語や日本語はもちろん、松井が中国語、ブラジルにルーツを持つ海沼がポルトガル語混じりのクールなラップで魅了。さらに松井が、本来はボーカルチーム(日髙竜太、加納嘉将、深堀、砂田)だけで披露する「Strangers」の導入部分をピアノ&ラップで弾き語りするというパフォーマンスでファンを驚かせた。彼らのレパートリーの中でもひときわシックなイメージの同曲では、リリース当初よりぐっとセクシーさを増した4人の歌声に圧倒される。冒頭部分で日髙&加納の“年長組”コンビが、日髙のピアノをバックに絶妙なハーモニーを響かせた「Crazy for your love」なども、クリスマスらしいムードのある選曲だったように思う。

 

 武者修行時代からのレパートリーである「NU WORLD」は、この日のために用意されたアコースティックアレンジで披露。この曲では全員が座って“踊らない”パフォーマンスに挑戦していたが、フェイクやファルセットを含めかなり聴き応えがあり、全員がマイクを持つ彼らならではの強みが感じられた場面だった。

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 お楽しみは、まだまだこれから。続いて海沼が「今日のために曲作ってきました!」と、PSYCHIC FEVERを従えてラップ&華やかなダンスパフォーマンスを展開していく。今年のステイホーム期間中にはそれぞれ楽器などに熱中していたそうだが、各自がソロで、あるいはグループ内ユニットとして個性豊かなパフォーマンスを成立させられるまでに成長していたことに正直、驚かされた。

 

 ファンキーな「Make U a Believer」に続き、終盤にはライブの目玉と言える「PASION」をドロップ。スクリーンには百獣の王・ライオンが登場し、コメント欄には炎の絵文字が大量発生するなど、オンラインライブならではの盛り上がりを見せていた。

 

 本編ラストでは冒頭の少女がメンバーにクリスマスプレゼントを手渡され、特等席で「I Believe」(EXILEカバー)に聴き入った。鈴の音からスタートするクリスマスアレンジの同曲を、はにかみながら爽やかに歌い上げる姿にはかなり新鮮味があったのではないだろうか。

 アンコールは「THE NEXT DOOR」(EXILEカバー)からスタート。本編がストーリー仕立てでMCがなかったため、ここから砂田の進行でMCタイムに突入。各自が新しいことに挑戦するというテーマを持ってこのライブに臨んだとのことで「(ドラムを叩くのは)夢の中でも緊張するもんですね(笑)」(深堀)、「数カ月間ピアノを練習してきて、2020年の最後に皆さんに披露することができて嬉しかった」(松井)などと振り返っていた。

 

 さらに“兄貴たち”と慕うDOBERMAN INFINITYのカバー「SAY YEAH!!」「DO PARTY」を2曲連続で披露。武者修行時代から親しんできたナンバーだけに、ラッパーチームとボーカルチームに分かれてわちゃわちゃしたりと、リラックスした姿を見せていたのも印象的だった。

 

 終盤のMCでは「大変な状況下で僕らも苦しかったり、悔しい思いもしたけれど、自分やメンバー、音楽やエンタメと向き合う時間がすごく増えたので、この1年が無駄じゃなかったということが感慨深かった。この時間を使って自分たちの武器をさらに磨こうと思ったし、それが今後、新しいBALLISTIK BOYZの強みになるとも感じた。この1年がなければ、今日みたいな演出はできなかったと思う」と日髙が2020年を総括。そんな1年の集大成であるこの日を、砂田が「将来、僕らの活動を振り返ったときにターニングポイントと言えるようなライブになったと思う」と語り、他のメンバーも大きく頷いていた。

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 ラストには「思い入れのあるこの曲を最後に持ってくることで、僕たちのライブへの願い、思いというものを皆さんにも感じてもらいたい」(加納)と、1stツアーのキックオフシングルとしてリリースした「ANTI-HERO’S」を披露。年末のカウントダウン公演や1月の『RISING SUN TO THE WORLD』での活躍を予見させるような力強いパフォーマンスでこの日を締めくくった。

 

 この日はライブタイトルを略したハッシュタグ「#バリクリ」がTwitterでトレンド入りし、「歌やダンス、アクロバットだけでなくバンドなど、多彩な7人が見れて幸せ」「世界を目指しているグループだと改めて感じた」「1人1人の見せ場がしっかりあったのも嬉しかった」など、さまざまな感想が上がっていた。

 

 EXILE TRIBEの中でも個々のポテンシャルの高さで知られているBALLISTIK BOYZだが、このライブで明確に伝わったのは、ダンス&ボーカルグループの固定観念をいい意味で壊していこうとする“攻め”のアプローチだった。来る2021年、彼らはどんなエンタテインメントを私たちに提示してくれるのだろうか。

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