2016.07.12 公開
Photo by ほりたよしか
現在ツアー中のため、詳細を語ることは控えておくが、新旧織り交ぜた楽曲で絢爛豪華に構成されたセットリストがたまらない。
「恐怖の大王」等、現時点での最新作『怪談 そして死とエロス』からの名曲を随所に挟みつつも、鈴木が不気味に笑う「踊る一寸法師」等の絶妙の選曲でオーディエンスを唸らせる人間椅子。
ナカジマが高らかに歌う「超能力があったなら」を合図に、終盤も怒涛の勢いで会場を揺らし、本編最後の一発「針の山」で灼熱の空間が完成する頃には、時計は午後8時過ぎを指していた。
強烈な余韻に包まれながら、アンコールに突入。へヴィかつキャッチーな楽曲で畳みかけると、観客の興奮は最高潮に達した。長年彼らの音楽とともに歩んできた者はもちろん、近年新たに彼らの虜となった者も深く楽しむことのできる趣向となった。
二度目のアンコールに応えて再びステージに現れた3人の表情は誇らしげだ。最後の一曲は「なまはげ」。人間椅子の深遠な美学を感じることのできるこの曲に浸りながら、観客は地獄のように刺激的な2時間半の宴を噛みしめていた。
この夏のワンマンツアーは、8月9日の仙台CLUB JUNK BOXへと舞台を移し、8月11日の青森Quarterでファイナルを迎える。また、8月6日には〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016〉、8月13日には〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO〉への初出演も決定している。
さらに、この夜の公演で、秋にツアーが開催されることも発表された。この機会に、是非とも人間椅子の“今”を各地で体感してほしい。彼らが今後どんな光景を見せてくれるのか、期待は膨らむばかりである。
(文: 志村つくね)
【あなたにオススメ記事】