2016.12.30 公開


大みそかに放送される「第67回NHK紅白歌合戦」に出場するAKB48選抜メンバーが、29日放送の「Road to 紅白 スペシャル」の番組内で発表された。48人の選抜メンバーをかけて国内5グループが出場枠を巡ってしのぎを削り、名古屋を拠点とするSKE48からは6人と繰り上げ当選の2人を合わせた8人のメンバーの出場が決定した。

この企画は「夢の紅白選抜」と題して、スマホのアプリやデータ放送を利用して、紅白歌合戦出場メンバーを視聴者が投票で選ぶというもので、言わば紅白版総選挙と言っても過言ではない。

総選挙に強いと言われているSKE48も投票開始直後は苦戦を強いられ、中間発表時点ではわずか5名しかランクインしなかった。現時点で78名と在籍メンバーはAKB48に次ぐ勢力ということもあり、ネット上では結果に不安の色を隠せないファンの声が見受けられた。

これに対してドキュメンタリー映画「アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48」の監督を務めたNHK石原プロデューサーは、「ファンの熱量よりも、ファンの総数があらわれる結果だ」と分析している。つまり、推しへの熱も「愛の数」が揃わなければ実らないというシビアな選挙戦だ。

推しへの投票を呼び掛ける活動が相次ぐ中でメンバーサイドからは、

熊崎晴香「あきらめたくないです!最後の最後まで」

東李苑、「今の私の1番の想いだったり願いは、SKEのメンバーがもっともっとこの紅白選抜に入ってほしいなってことです」

斉藤真木子、「仲間とは言え、結構厳しい現状です。SKE48のメンバーが1人でも多くNHKホールのステージに立てますように」と、より多くのメンバーの出場を望みファンに訴えかけた。

出場メンバーが発表となる29日当日は生放送での発表。スタジオには各グループの代表メンバーが呼ばれ、SKE48からは松井珠理奈が登場した。

HKT48より発表が始まり、NMB48、NGT48と順に出場枠が確定していく。じりじりと焦らされるこの気分は本家総選挙に近いものがある。SKE48の発表の直前、松井は「NGTが中間発表より増えたのを聞いて、SKEもここから伸びたらいいなという気持ちでいっぱいです」と緊張した面持ちで心境を語った。

いよいよ結果発表。SKE48からは松井珠理奈高柳明音須田亜香里松村香織大場美奈古畑奈和の6人が選ばれた。名古屋・栄のSKE48劇場の中継映像には喜びに沸くメンバーの姿が映し出され、中でも松村香織の選抜には同期の須田をはじめメンバー全員が両手を挙げて祝福する様子が放送された。

須田はスタジオから今の心境について聞かれると、「SKEは6人だったんですけど、こういう企画だからこそ全国各地のメンバーの色を持ち寄ることができるのが良さだと思うので、私たちの良さをしっかり持っていきたいと思います!」と意気込みを語った。

AKB48までの選抜メンバーが確定し生放送も終了に近づいたその時!本当のサプライズが待っていた。当日は21時台の歌唱となるため中学生以下のメンバーが参加できないことが決まっており、ランクインしたHKT48の田中美久と矢吹奈子が該当し楽曲参加ができなくなった。そのため当選順位が繰り上がり、SKE48北川綾巴惣田紗莉渚の選抜入りが決定した!!

スタジオにいた松井は「え‥‥‥? えっ!!」と驚いた拍子に席を立ち上がり、メンバーの当選に歓喜し涙を浮かべた。

SKE48劇場では突然の出来事に当選した北川は「どうしよう・・・」と驚きの表情を隠せずにいた。「入れなかったと思って泣いてたんですけど‥‥‥」と溢れる涙をこらえきれず、同じく泣きながら駆け寄ってきた惣田は「無理だと思って当日焼肉食べに行こうと思ってたので本当に‥‥‥、嬉しいです」と笑いを交えながらも北川と喜びを分かち合った。

これでSKE48から選ばれたメンバーは、松井珠理奈(1期・S)、高柳明音(2期・KⅡ)、須田亜香里(3期・E)、松村香織(3期・KⅡ)、大場美奈(AKB9期・KⅡ)、古畑奈和(5期・KⅡ)、北川綾巴(6期・S)、惣田紗莉渚(ドラフト1期・KⅡ)の8人となった。

まさに今年の大みそかのためだけに用意された「紅白セレクション8」。この8人がSKE48を代表して悲願の紅白のステージへと返り咲く!

SKE48紅白歌合戦の出場は第65回紅白から途絶えている。初めて出場を手にした曲、『パレオはエメラルド』では見事に揃ったラインダンスを披露し、翌年の『賛成カワイイ!』では大漁旗を掲げ、「よさこい」のダンスをアレンジして取り入れた。その翌年にはわずか90秒の『不器用太陽』がNMB48とセットで披露されることになった。

共演という形にはなったが、ステージ上での早着替えと同時に美しく咲いた太陽の花は、客席やテレビの前の視聴者はその美しさに誰もが魅了されたはずだ。

2016年のSKE48は、宮澤佐江、柴田亜弥の卒業があり、シングルCDのリリーズも2枚に止まった。選抜総選挙では第一党を奪われ悔しさを味わい、グループ対抗運動会でも非常に惜しい結果に終わった。

その一方で、地元名古屋の地盤固めも順調に進み、各自治体の観光大使や地域企業とのコラボも充実した内容になった。劇場ではすべての公演がリセットされ新公演に移行し、全メンバーがソロコンサートを実施するなど初の試みも行われた。

年末には待望の2ndアルバムのリリースもいよいよ決まった。何度も何度も延期を繰り返しながら2017年2月22日の発売が決定した。一足早くSKE48初のミュージックビデオ集「SKE48 MV COLLECTION ~箱推しの中身~」も絶賛発売中だ。さらに全国ツアーの再開も発表され、新たに次世代を担う8期生もお披露目されたばかりだ。

着実に力を蓄えているSKE48の未来には希望もある。この紅白のステージが来るべき2017年の最初のスタートを占うことは間違いない。紅白と同じくSKE48劇場で行われるカウントダウン公演と合わせて、SKE48が出演する今年最後のステージに熱い期待を寄せたいと思う。

第67回NHK紅白歌合戦は NHK総合、ラジオ第1にて19時15分から23時45分(15分間の中断ニュースあり)まで放送。
AKB48の出演は後半21時台を予定。

(文:安藤龍之介)

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