2018.10.05 公開
SKE48が辿り着いた10年の軌跡。まもなく開催「10周年記念特別公演」に寄せて

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2018年10月5日(金)、名古屋・栄を拠点に活躍するアイドルグループ、SKE48が結成から10周年の節目の日を迎えた。まずは、この日をを迎えたSKE48全メンバーに「おめでとう」の一言を添えたいと思う。

10年という歴史を紡いできた48グループは、姉妹グループではSKE48が初となる。
2008年10月5日、観覧車がトレードマークのサンシャインサカエの2階、当時の「SUNSHINE STUDIO」で、1期生による「PARTYが始まるよ」公演からSKE48の歴史は始まった。

AKB48初の全国進出グループとして名古屋の地に誕生したSKE48
当時の1期生に課せられた課題は短期間でAKB48に追いつき、そして超えることだった。名実ともに“AKB48のライバル”という立ち位置がSKE48のグループイメージだっった。1期生の合格からわずか一ヶ月後のお披露目までの期間、振付を担当した牧野アンナ氏による徹底したダンスレッスンは、その後の「ダンスのSKE」というイメージを定着させた。髪を振り乱し、汗も撒き散らしながらも、がむしゃらにステージに立つメンバーの姿に惹かれていくファンも多かった。

AKB48が全国的な大ブレイクを迎えると、SKE48もそれに伴いだんだんとメディアで露出も増えていった。AKB48の冠番組への出演や、バラエティ番組、さらにはグラビアまで見かけない日はない程の月日が続いた。
シングルCDも5thシングル『バンザイVenus』ではオリコンウィークリーチャートで1位を獲得し、その後も『パレオはエメラルド』『オキドキ』『アイシテラブル!』とヒット作を連発し、握手会の動員数もそれに応じて増加の一途をたどっていた。
1stアルバム『この日のチャイムを忘れない』の頃には、それまで、どうしてもエースの松井珠理奈や松井玲奈だけが注目されがちだったが、選抜メンバーを中心に握手会の人気も高まっていた。

劇場公演も1期生を中心としたチームS、2期生を中心としたチームKⅡ、4期生を中心としたチームEが結成され、特にチームS、チームKⅡにはSKE48オリジナル公演が与えられた。
公演の中でそれぞれのチームカラーも定着し、チームSは激しいダンスパフォーマンスを得意とするプロ集団、チームKⅡはお祭り騒ぎの楽しさの中にある熱のこもった魂、チームEは末っ子チームで、これからのグループを担う逸材として、メンバー層にも多種多様な厚みが生まれつつあった。

何もかもが順風満帆かに見えたグループの成長。
劇場公演を行っていたサンシャイン栄に専用劇場が開設された2012年は、その年の総選挙で一気に15名のメンバーがランクインし、さらに、年末の紅白歌合戦にはSKE48として単独出場を果たし、SKE48の知名度は一気に向上した。
その一方で、松井珠理奈のAKB48チームKとの兼任発表や、グループの精神的支えでもあったチームSリーダーの平田璃香子がSKE48を卒業した。

何かが大きく変わる予感がした。その現実から目を背けてはいけないと、また一人、メンバーの卒業発表がなされた。選抜メンバーの一人、矢神久美が2012年11月に卒業を発表した。1stシングル『強き者よ』から選抜メンバーとして参加し、W松井に次ぐ人気があった矢神の卒業に衝撃が走った。この年はAKB48から前田敦子がグループを卒業し、その言葉の意味と重大さを再認識する年でもあった。


SKE48の5周年のスタートは、小木曽汐莉や桑原みずきら9名の卒業発表から幕を開けた。4月に日本ガイシホールで行なわれたコンサート「変わらないこと。ずっと仲間なこと」では卒業セレモニーが行なわれ、また、SKE48としては初の「組閣」(チームの再編)も実施されることが決定した。

 

SKE48とは何か?
推す理由はどこにあるのか?

SKE48に関わる全ての人にその疑問が重く突きつけられた。


再編されリスタートを切ることになったSKE48の目標にナゴヤドームでのライブがあった。それが実現したのは2014年2月1日(土)のことだった。『SKE党決起集会。「箱で推せ!」』と銘打ったコンサートツアーは、2013年10月の神戸ワールド記念ホールを皮切りに、横浜アリーナ、ナゴヤドームと3会場で6公演を開催。
ナゴヤドームの初日、1曲目に披露された1期生による『神々の領域』は、この場所に辿り着いた7名のメンバーで披露され、寄り添いながら歌い涙する姿に心を打たれたファンも多いはずだ。グループカラーのオレンジ色に染まったナゴヤドームの光景は今や伝説となった。


こうしてグループの目標を叶えたSKE48は、次のステージへの準備と、目標の再設定に時間を置くことになる。

その間にも卒業を発表するメンバーは多く、将来のセンターを期待された若手メンバーたちも卒業の道を選んだ。アイドルというのは人生の中では一時の時間の内に過ぎない。アイドルを卒業するという選択は決して悪いことではない。その選択を選んだメンバーたちの決意に敬意を表したい。


冠番組の終了、48グループを巻き込んだ「大組閣」、松井玲奈の卒業コンサート。

 

不安な雰囲気が漂っていたSKE48に兆しが照らされたのは2017年2月のことだった。

延期を繰り返していた2ndアルバムのリリースが遂に決定したのだ。
アルバムのタイトルは『革命の丘』。ボロボロになりながらもSKE48の旗を掲げるメンバーのジャケット写真に、落とされても這い上がるという強い決意と覚悟を感じた。
そのリード曲『夏よ、急げ!』は朝日を背に港で踊るMVが撮影され、新たなステージへ出航するという明るいイメージが詰まった楽曲になった。

ここからSKE48の快進撃はすさまじかった。
2ndアルバムを引っさげ開催された各地のリリースイベント。「100%SKE48」(白夜書房)の創刊。冠番組「むすびのイチバン」(東海テレビ)など、メディアへの露出の機会も増えていった。また、地元・名古屋では地元球団の中日ドラゴンズの応援⼤使や、プロサッカークラブ、名古屋グランパスの公式応援マネージャーの就任と活躍の場を広げ、愛知を紹介する物産展でもメンバーのトークショーが開催されるまでになった。

なかなか開催できずにいたコンサートも、2018年3月、4月には『サカエファン入学式』『10周年突入春のファン祭り!〜友達100人できるかな?』と立て続けに行なわれ、グループの勢いをさらに活気付けた。

そして、6月に開催された「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」は、ナゴヤドームで開催され、結果は第1位に松井珠理奈、第2位に須田亜香里SKE48メンバーによるワンツーフィニッシュで幕を閉じた。


SKE48が走り続けた10年間はメンバーの数だけ折り重なった、様々な出来事の積み重ねで紡がれている。メンバーの一人にひとり焦点を当てれば、そのメンバーの分だけ歴史はさらに深く掘り下げられる。ここに執筆したのはSKE48の概要でしかない。メンバーやファンを始め、SKE48に関わるすべての人の中にそれぞれの10周年がある。

まもなく始まる「10周年記念特別公演(後編)」は、2013年からグループの歴史の原点である2008年までを振り返る。今日は10周年という節目であり、また11年目への始まりの日でもある。これから先、SKE48が走り出す新たなステージの最初の一歩を劇場で見届けたいと思う。

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